私たちが口にする「アクセサリー」は、英語で言うアクセサリー(accessory)で、それは本来の意味は『付属物』の事です。
車の飾りや室内のインテリア、あらゆる物体に付けるパーツ等を指しますが、人が服と共にお洒落の為に身に着けるモノ限定で言うならば、やはりコスチューム アクセサリー(costume accessory)の事を指し、日本では一般的な印象として、低価格で気軽に使える量産型の素材で出来た装身具を、そう呼ぶ事が多い様に思います。
金や銀、貴石等の希少な高級素材を用いたモノから、ガラスや樹脂、合金等の廉価な素材で出来た装身具は、人類の歴史の登場と共に『付属』して発展したものでしょうが、希少性のある素材で造られた高額装身具を現代では『ジュエリー』と呼び、卑金属(真鍮や量産用合金)ガラスや樹脂等、廉価な素材で造られた装身具を『アクセサリー』分けて呼んでいます。
付属物とはいえ、人類史上登場したそれの最初の目的は身を護るモノ、護符として、呪術的要素を込めて使われたのが起源と言われます。
天然石の持つ永遠に変わらない色や輝き、虎やサメ等の強い動物の遺した牙や爪、骨、美しい鳥や虫の羽、そうしたものを身に着ける事で、自分も強くなり得た気分になり、悪いモノが体に入る事を避ける為、狩りの時にケガを負わない為、呪いを避ける為として体の一部に着けられました。
そこには材料の希少性はともかく、加工、造りの容易さの方が選択されたでしょう。
西洋においては狩猟から農耕へ、発展して人々が集い暮らす村社会になり、階級というものが出来てから、それは次には権威、権力、身分を表す上で解り易い飾り物となり、加工技術も進み石の研磨、金属加工の方法もこなし、宝石専門の職人が職業として登場すると、分かり易くギルトと呼ばれる組合も登場し、素材や作り方のルールが厳格に決められます。
そして時代がもっと進み、一般人が生活上で気軽に装身具を着ける様になった現代では、世界の王族、有名俳優やスター、文化人が着けているから、またはシーズンごとに媒体から発せられるファッション流行の元、自分も同じモノを着けて気分を上げるという考え方で、それらを求める人々が増え、流行という意識が高まります。
お洒落をしたいという気分と共にシーンごとに気楽に楽しむ、多様性のある身体に用いる装飾品がアクセサリー。
最近ではデザイナーが造る個性的でオリジナル素材やテクニックを使った、一寸高級な感のあるアクセサリーは、『コスチュームジュエリー』という呼び方もされていますが、そうでないものとの明確な線引きはありません。
アクセサリーの使い方のルールは『自由』そのもの。
今の気分、ファッション、ソーシャル、新品、中古品、それぞれの価値観と目的で選び、装うことが望ましい着け方、使い方と思います。