ブローチ

     

1950年代位まで、海外でも日本でも比較的ファッションが今ほどにカジュアル寄りでは
無かった頃装身具の中でよく使われたのが、ブローチというアイテムであったと思います。
多くのジュエリー、20世紀を過ぎてから登場するコスチュームジュエリーのメーカーでも、
シーズン毎にスタイルやデザインを変え、多くのタイプを造り出していました。

装身具のタイプとして、イヤリング程顔の近く添えるものではありませんが、イヤリングや
ネックレスと違って直接肌に触れるモノでは無い、装う洋服に着けて飾る為、大きな物でも
抵抗無く使えるのが魅力の装身具となります。また位置的に顔の真下に来る事が多い為、
彩色や石、クリスタルガラスを使う物では、反射が起きて顔映えするアイテムも多く、
その種類の多さから、選択が多いのも魅力でしょう。

現在は本体の裏にある針をファブリックに刺して使うタイプが主流ですが、アンティークや
ヴィンテージの中には、布地に針穴が開かない様に挟んで使うクリップタイプ、帽子や襟に
使うジャボット、ラペルピン等と呼ばれる物もあり、それぞれに工夫がされているものも
見られます。

また、着け方のバリエーションとして、ネックレスに挟んだり、複数着けしたり、服以外の
帽子やバッグ等小物に着けたりと、遊び使いが出来るアイテムでもあります。

お選びになるときのコツは、可能な限り全身が映る鏡を使い、着けた時のバランスを見る事。
イヤリング程顔に近いわけではないので、自分に似合う似合わないというより、着けられる
服との相性で選択する方が良いと思います。

ルールは兎に角似合えば良し。着ける人の魅力を引き出している事、何より使っている
本人が楽しめることが優先の装身具です。