萌黄のミニブローチ

イギリスで19世紀に流行した、レースピンと
呼ばれるミニサイズのブローチ。

小ささには限界があるので、デザイン自体は
個性は無く、代わりにカラーペースト使いに
美しいタイプが見られます。

画像もそれで、それぞれ春の若葉の様な、
明るい印象を感じさせるもの。

中央にアンティークらしい、独特カットの
カラーペースト取り巻きがシンプルな透明
ペースト。

画像下はヴィクトリアンより古いジョージ
アン後期の物、上は1世紀進んだヴィク
トリアンから次のエドワーディアン時代
初めの辺りの品と思われます。

ジョージアンの物は作りが独特で、
使用表の金属はシルバーですが、裏側は
全て別金属でグルリと包む様にカバー。

当然ペーストは輝度を増す為に全て
銀箔でカバーされその独特のコロン
とした形状に愛らしさを感じると共に
どうやってルースセッティングして
いるのか、ルース同士の淵がギリギリ
まで寄り合って、石枠の爪すらも殆ど
見えません。

それが1世紀経つと、形状はすっきり
シンプルで、裏もほぼ平で、ルースも
飛び出さずに、埋め込む様にセット。

カラーペーストの裏は開けられ、多くの
光が取り入れられて、自然光で輝く事を
計算されて造られている様。

家に籠っていた女性たちが、少しずつ
アクティブになって来た証でしょうか。

時代と習慣、そうしたものがこんな
小さなモノにまで反映しているところに
面白さを感じます。