アール・デコ

アール・デコの時代は機械的な生産、工業製品に
価値か見出された時代。

20世紀の始まり迄は、自然の姿のままである事に
良さが見いだされたのですが、アール・デコは
その真逆で、自然界には存在しない直線的なモノ
人工的なモノを楽しむ様になります。

代表的には女性たちの化粧で、それまで化粧を
するのは、ある種のプロの女性に限られて
いましたが、この時代は自己表現の一つとして、
メイクアップが流行します。

化粧をすれば、当然それに付随するものも、
需要が上り、例えば装身具も機械的に造られた
ものに人気が上り、本物とは反対のフェイク
素材の価値が高まり、女性達は積極的に取り
入れます。

それまではふくよかで、ボディラインに丸みの
あるシェイプに人気がありましたが、アール・
デコの女性達は、まるで少年の様に凹凸の無い
スレンダーボディ。

縦線が尊ばれ、細くストレートなワンピース、
ドレスなどが主流になり、当然飾りもフリルや
レースは無くなり、刺繍など身体から飛び
出さない程度の装飾ばかり。

この時代は、特にビーズやスパンコールを
使った刺繍装飾がドレスの中心で、フランス
では、自国生産だけでは間に合わず、近隣から
職人を呼び寄せての製造で、多忙を極めた
そうです。

画像はアール・デコのガラス素材のパールの
タッセルネックレス。

それまで宝石界では余り見なかった、黒と白
という対局な色合わせが取り入れられたのも
この時代からです。

房のデザインは、それまでの時代も人気が
ありましたが、アール・デコ以降は、それまで
ふっくらの印象の房を縦長の細いシルエットに
変えて表現されています。