アポも何もない、純粋なる休日。
それではと、楽しみにしていた展覧会に。
パリの真ん中、シャンゼリゼ近くにそびえる、
プチパレで行われている『モダニズムのパリ』。
20世紀の幕開け、時代は貴族文化から大衆文化
へと移行。
世界を巻き込んだ、第一次世界大戦を挟み、
時代は大きく転換したようです。
あらゆるデザインは、ウネウネクネクネの
アールヌーボーからは真逆の、機能を追求した
直線主体のシンプル装飾が台頭する、現代に
近いモダン主義が始まります。
新しい感覚はエネルギーを伴い、爆発的に
影響を及ぼして進み、とうとう世間は
『狂乱の時代(レザネフォール)』とまで
呼ばれ、享楽的に生きる文化が始まります。
現実的には、この時代辺りに造られた品が、
今の世でも使えるかも…なギリギリのライン。
ジュエリーや、この時代になって登場する
卑金属製の手軽なアクセサリーもデザインの
シンプルさと共に、使い易さが主。
でも、造りは手間と時間をたっぷりかけた
美しい品が、現実的に入手可能なのは
嬉しいところです。
大量の展示物故、店長は衣装やジュエリーに
特化して見学しましたが、ポール・ポワレ
から始まる、コルセットを省いたディレクト
ワールを超え、マドレーヌヴィオネ、
ジャンヌ・ランヴァンの刺繍を屈指した
美しいドレス群、カルティエによる
あまり使われなかったシトリンやオニキス
半貴石を使った、シャープでエレガントな
デザインのジュエリーには、目を見張り
ました。
「シャネルが居ないよ?」と言われそう
ですが、実際シャネルは最初の衣裳店は
パリでは無く、北の海浜リゾートで有名な
ドーヴィルに持ちますから、あえてテーマの
『パリのモダニズム』からは外されている
という選択もユニーク。
昨年11月からの開催、この4月で終了の
デザインと様式の回顧展は、パリをこよなく
愛すフランス人の見学者でギッシリ。
もう一つ、一寸ビックリ&嬉しかった事は
入場チケット売り場で、担当していた
若い女性が、店長のアクセサリーを見て
「マダムのアクセサリーが素敵!」と
賜わってくれたこと。
フランスの女性はこういう時、思った事を
直ぐに口に出すのを惜しまないという事も、
久々実感出来た、嬉しい出来事でした。