スゥイング・デコ

20世紀を過ぎ、第一次世界大戦で激減した男性に替わり
新たな労働の担い手とされて、女性の社会進出は高まり
ます。

中でも自由を謳歌した、フラッパー、モダンガール等と
呼ばれた女性達のスタイルは、髪は短く断髪、それまでは
女性にはタブーだった化粧をして、引きずるように長かった
ドレスの丈は動きやすくするためにグッと短く、腕も肘上
までむき出し。

極端に違うファッションが登場すると、その露わな首や
腕回り、丈の短くなる事で見える脚を飾る為の装身具、
なかでも様々な場所にアクセントの様に着けるブローチが
流行し、流行りました。

画像の品はその時代の、アール・デコと呼ばれるスタイル
のスゥイングタイプのブローチ。

上のバーには僅かにブルーのラインストーンが、フクリンと
呼ばれる独立した爪では無い方法でセットされ、リンクする
バーを挟んで、同様の蒼いクリスタルが整然と並ぶ、2つの
シンプルな環が連なり、規則正しく振れる振り子の様に揺れ
動きます。

クラブが流行り、当時流行最先端の激しいジャズの音楽に
乗って踊る、シンプルで警戒なドレスを着た女性の胸元には
体の動きに合わせる様に揺れ動くブローチ。

振り子の様にも見えるこの形は、何度時を重ねる様に左右に
振れたのでしょうか。

新しい時代の最初の頃は、いつもフレッシュな勢いを纏わせ、
それは100年近く経つ今も、何故か新鮮さを感じさせて
くれます。