アールデコ、その面白さ

20世紀に入って少し、1920年代になると、大衆を
相手にしたあらゆる製品が、工業化という名の元に
多くがスピーディーに造られ、席巻しました。

それは装身具の世界にも影響を与え、それまでは
一部の特権階級の為の品であった物が、技術発達
した製造方法は贅沢さを大衆化することに成功
したようです。

この時代にはピカピカ磨かれたもの、メタリックで
ジオメトリックなシェイプが好まれました。

画像はそんな時代に造られた、18金製のリング。

10g以上とたっぷりと地金を使い、ふっくらとした
ユニークなドーム型。

その天辺には、当時では斬新であったであろう
まん丸の養殖真珠が一粒、小さなダイヤモンドに
囲まれて、まるで金属の様なつるつるした面を
魅せつつ鎮座しています。

アールデコ独特の定規を当てた様なくっきりした
直線曲線に、真球の養殖真珠はピッタリで、
それまではバロック形状が当たり前だった真珠の
世界は、アールデコの時代の宝飾品に積極的に
使用された事で、その価値をスイッチしたのでは
ないかと考えます。