堆朱赤

1920年代、チェコスロバキア製の真鍮製の
枠に、色とりどりのボヘミアングラスを
セットした、独特の造りのアクセサリーが
欧州中心に大流行。

時代は丁度その頃終結した、欧州中心での
第一次世界大戦(1914~18年)で失われた
時を取り戻すように、浮かれた時代が
やって来て、俗にいう『ローリング20s』
という狂乱の浮かれた時代が始まります。

20世紀の中、最もクリエイティブな時代
と呼ばれるときの中で生まれたジュエリー
とは違う、これらの手軽な装身具は、
独特の大胆且つ細やかな造りが楽しめます。

ボヘミアングラスの多くの色の中で、特に
際立つのは、独特の今まで欧州では見られ
なかったオリエンタルな赤。

まるで漆の様な、中国や日本の『堆朱』と
呼ばれる様な、茶と赤の中間色の様な、
独特の赤みと共に、背景にある真鍮の
メタルワークは、全て手作業で作られ、
ベースメタル、石枠、溶接、メッキ、
手彩色、ガラスセッティングと、今より
考えられない程にたっぷり手間と時間を
かけて製作されています。

その手間の掛けようと造りの完璧さは、
その後の時代に造られた品と比べても、
一目瞭然。

そうした品が、今の時代でも入手が可能で
しかも今のスタイルのコーディネートの
一部にも取り込めるというのは、やはり
トータルな質の良さがあればこそ。

現代に造られるアクセサリーが、100年後
この様な形で残り得るか…一寸疑問と思う
のです。