イヤリング始め

歴史を読み解くと、100年少し前、スペイン
風邪や大戦等、過去にも今の世界と同じ
現象が起きていた事が分ります。

第一次世界大戦+スペイン風邪の流行で
多くの人が亡くなり、意気消沈した世界、
押さえられていた欲望を変える為、大衆が
選んだのは新たな『娯楽』。

それは特にそれまで押さえつけられていた
女性達の心理に最も解放を与えた様で、
1920年代から登場する新しい女性、通称
『Flapper Girl』と呼ばれる自由闊達な
生き方を望むニュータイプの女性の登場と
なるようです。

スポーツ、旅行、JAZZという新しい音楽、
映画産業…あらゆる娯楽が推奨され、
それまでは考えられ無かった女性の化粧、
ショートヘア、丈の短い服装、車の運転…
が普通となり、当然そこに合わせて発展
する、装身具の世界にも影響を与え、
素材を問わない、ファッションとしての
気軽に自身が買えるアクセサリーという
概念が登場。

そういう時代の装身具には、まだ前時代の
仕事の丁寧さと、新しい考えを反映した
美的な物が多々存在します。

画像の品はフランス製のイヤリング。

アールデコフレームの真鍮に、本七宝で
柄を付けたり、マットに仕上げたり、
装飾豊かな発想で造られたままストック
入り。

そして100年後の今、眠りから再登場した
ものです。

コロナ騒ぎが終焉し、新しい価値観が
登場するかは不明ですが、当時の新しい
生き方を選ぶ女性の耳を飾ったこれらを
見つめると、新たな希望が湧き立つかも
しれません。