鳩の翼に乗って

~お知らせ~24、25日は定休となります。

日本の自宅でお茶を啜りながら、現地から
送られる多くの写真。

そんな中「こんな品が仕入れられるなんて!」
…と思わずうなって、次には「This is IT!」
(否マイケルJ)と返事を返した、19世紀の
シルバーペースト製ネックレスは、中央の
鳩の飾りが象徴的なサンテスプリと呼ばれる
もの。

フランス、ノルマンディのカトリックから
発する、一つの宗教的モチーフ、十字架に
代わる品で、ペンダントなどの小さい物、
もしくは逆にゴージャスな大振りな物は
比較的目にするのですが、現代でも使え
そうなネックレスを見ることは稀。

丁度購入したばかりの宝石歴史の写真本にも
掲載されていて、どうやら19世紀においては、
十字架モチーフジュエリーがファッション
として華やかに発展していたことが分かり
ます。

中央の鳩の姿、その上のリボンから首回りの
飾りはリボンや花蕾を思わせるロココ様式。

ダイヤイヤモンドで造られることは、ほぼ
無かったサンテスプリは、庶民のための元祖
コスチュームジュエリーなのか?

疑問が疑問を生み出し、深い宝石の森へと
いざなってくれる鳩と共に、暫し脳内をtrip。

上画像は、別のムック本に載ったサンテスプリですが、
素材とデザインスタイルはほぼ同じ。