赤の効用

~お知らせ~27,28日は定休となります。

まだまだブローチの需要が高い日々。

春を感じさせるものに移行中。

画像はチェコスロバキア、Neigerによるもの。

アールデコの意匠の中、明るい水色のエナメル七宝の花。

花芯と両脇の飾りは、血赤珊瑚の様な赤色。

この時代に多用された赤色は、東洋の趣が流行した為か
元々主流だった明るい赤ではなく、マットでやや落ち
着いた赤色が使われていることが多いように思います。

多くの装身具を生み出していたチェコスロバキアですが、
中でも20世紀初頭Neigerの創り出す品は逸品で、
世界中にコレクターが居る事からも分かります。

NeigerはNorbertとMaxの二人の兄弟で始められた会社。

兄NorbertがGablonzの宝石学校を優秀な成績で卒業し、
自宅の地下の小さな工房で造っていたのですが、人気
から弟Maxを事業に引き込み、拡大して行きます。

当時流行だったエジプト風スタイルのアクセサリーは、
アメリカやイギリスでブレイク。

当時でも、高額な販売価格だったそうですが、作りの
良さ、センスの良さから人気は断トツ。

ショールームに買い付けに来たバイヤーが入ると、
覆われていた布が外され、中から美しいクリスタルが
はめ込まれたり、七宝で飾られた製品が、ズラリと
登場し、並ぶサマが見事であったと、見せる演出にも
凝った所があったことが、資料に書かれています。