ちいさなおもいで

例えるならば1円玉サイズの極小ブローチ群。

盛り盛りの、ペーストを敷き詰めた、パヴェ
セッティングのヴィクトリアンは、重さも
手応え十分なもの。

誕生した時代は、女性の装いはロング丈。

スカートをクリノリンとペチコートで膨ら
ませ、レースや布を何重にも重ねたスカート
の時代で、戦争だろうが革命であろうが、
ズルズル長い裾を引き摺って、果敢に移動を
した事でしょう。

そして明けて20世紀のエドワーディアンは、
ほっそりシルエットが主流になり、細い糸の
様なラインで描かれた、ミニマムなラインの
中に個性あるカラーの天然石がミル打ち留め
された石が儚くセット。

ファッションと共に成長したこれらの小さな
飾り物は、1世紀を超えて尚、まるで先日
豊かな大地の中で出逢った大木の様に、
これからも誰かを美しく飾る為、生き続ける
存在であって欲しいと思います。