ショッキング!by Elsa Schiaparelli3

第二次世界大戦が勃発して、スキャパレリは
パリからアメリカへと避難。

おそらくは既にハリウッドで女優達への衣装の
デザインで成功しており、アメリカでの知名度が
高かった故に選んだ事と思われます。

香水、アクセサリー、スカーフや帽子など服飾
雑貨のライセンス契約で、贅沢な避難生活を
甘受した様ですが、ライセンス品目に歯止めを
掛けなかった為なのか、彼女の名前が付いて
いるベッドマットレス等、一寸不思議なモノも
存在しています。

そして終わった大戦後に、再びパリへと戻り
ますが、既に時代は次の流行へと動き出していて
彼女の感覚は古いものと評され、人気は零落。

1954年に引退、店は閉じられました。

奇しくもその年に、70歳を超えたシャネルが
カムバックを果たし、酷評を受けつつも創作の
意志硬く、創作を継続することで名声を取り
戻しているので、スキャパレリも続けていれば
あるいは…という事もあったかもしれません。

モード界に生きた、服を通してアートを表現
しようと果敢に挑戦して、自ら幕を閉じた
スキャパレリ。

歴史から消えたことでファッション界での
評価が遅れ、最近再びブランドとして再興
されたことで、彼女の軌跡に注目が集まっての
今回の展覧会だった様です。

多くの残されたドレスたちから立ち昇る、当時
最も勢いのあった一人の女性の生き方を
見つめる事が叶った展覧会。

会場を行ったり来たり、グルグル観覧を楽しみ、
気付いたら二時間たっぷりかけていました。

それほどに充実した内容であった展覧会です。