イヤリング

イヤリングが欧州で一般に流行し始めるのは、
16 世紀に入ってから。

香辛料の交易と共に、アフリカからイタリアに
伝わり、ヴェニスやナポリの当時のお洒落な
女性と言えば代表的存在の、高級娼婦達から
始まって、街の女性達へと、あっという間に
広がって行った様子が、当時に残る手紙や
日記に描かれています。

『黒人の女の様に耳に穴を開けて、大きな
真珠が付いた、小さな金の環を着けるのは、
大いにとがむべき事』…と当時の人が書簡に
書き連ねられていますが、それでも流行は
止まらず、16世紀半ばには一般的装身具として
認知されましたが、最初はイヤリングという
固有名詞は無く、ペンダンテ・ダ・オレッキ
(耳用ペンダント)と呼ばれます。(現在は
そこから発生したオレッキーニ(orecchini)
がイヤリングにあたるイタリア語)

この呼び方は、何故かそのままフランスで
残り続け、今はイヤリングを意味する
『des boucles d’oreilles(耳のバックル)』
という名称で呼ばれます。

特に長く垂れ下がり揺れるイヤリングは、
当時もエレガントでドラマチックと人気
タイプ。

画像はフランス、ルイロスレーのガラス製
パールを使ったデザインイヤリングですが、
数百年前の遥か過去に生きたの女性達も、
似た様なデザインのイヤリングを楽しんで
着けていたかと想像します。

モビールの様にユラユラと揺れるサマは、
耳元を美しく飾り、肌に映えて、より
エレガントさを感じます。