アールデコ・モダン

透明なクリスタルの中に、墨で真直ぐ線を
描いた様な印象のガラスは、アールデコが
デザインの主流だった1920~30年頃の
ボヘミアンガラス製ビーズネックレス。

それを丸線では無く、角線で編み上げて
繋げています。

更にガラスのエッジ部分は、オールハンドで
切込みの様な凹みを入れている為、光の中で
乱反射して、まるで模様の様な複雑な輝きを
見せています。

機械化が主流になって来た時代とはいえ、
まだまだ『手』によ製作は多かった筈で
それは手間という意識と時間をかければ
かける程、美しさに近づくモノでした。

それまでのアールヌーボー時代の豪奢さ
から反転、女性の髪は短く、服の裾は
歩き易い様に丈は上がり、シンプルに。

動きやすい様に袖丈は短く腕はむき出し
詰まっていた胸元は大きく開かれ、肌が
露出するスタイルに。

そうした女性の胸元に、これらのネック
レスは飾られた事でしょう。

この時代はメタリックでクールな印象の物、
ステンレスやクローム、クリスタルガラスで
出来た装身具が、贅沢化を始めた大衆へと
広がった頃。

素材に高価なモノはありませんが、手間と
技術、デザインを屈指すれば、一部の人しか
着けられない高額なジュエリーとはまた違う
手軽でファッショナブルな物が楽しめる
という認識が出来た頃。

勢いがある時代の頃の品は、今見ても
新鮮さを失わず、フレッシュな息吹を感じ
させてくれます。