我が唯一の望み

パリの街をフラフラと気まま散歩。

そろそろティータイム…と思ったところで、
丁度目の前に改装を終えて、綺麗になっ
クリニュー中世美術館がそびえていたので
迷わず入館。

重い荷物は全部預けて、館内をお散歩。

新しい一角獣のタペストリーの間には、
連作となる修復されたタペストリーが、
暗い空間に浮かぶ、魔法のじゅうたんの
様に飾られています。

何度も見ているこのタペストリーですが、
やはり眺めていると、歌いだしたくなる
ような幸福感を感じます。

美しい貴婦人が佇む後ろのテントの上には
『我が唯一の望み』という言葉が書かれ、
それが何を指すのかは、いまだに謎と
言われますが、愛の寓意が込められている
品であることは、誰が見ても明らか。

このタペストリーが造られた時代、上流の
人々は感情を素直に顔に出したり行動に
出すことは不謹慎、低マナーとされていた
そう。

その中に在って、まるでパズルの様に裏に
含まれる意が存在するこれは、きっと
贈った人、贈られた人だけが解る、巨大な
ラブレターの様にも見えます。

たっぷりの愛を見て、幸福感に浸る店長の
中世散歩はまだまだ続きます。