春告げるブランド

ヒラヒラ舞う様に届いた小さな珠玉の装身具。

オリジナルのボックスに入れられたその箱には、
ブランド名がありました。

20世紀初頭、イギリス発の装身具ブランド、
CIRO社の品です。

品は貴金属というよりは、銀、ペースト、
養殖真珠等廉価な素材を中心とした入手し易い
『ファッション ジュエリー』と呼ばれる分野。

デザインはあくまでトラディショナルで上品、
小ぶりで、王室がある国らしい雰囲気です。

実は店長の若い頃、このブランドの直営店が
東京銀座にほど近い有楽町に在り、その前を
通って、当時勤務する会社に通っていました。

今も記憶にある、その小さなウィンドウには、
上品なパール使いのネックレスやイヤリングが
美しいベルベットのディスプレイに飾られて
鎮座。

気付いたら、それから程なく、その店は退店
していて、何処に移ったかもわかりません。

この箱も丁寧な造りで、上蓋内側はサテン張り
下側は別珍というもの。

内側には王冠とCIROのロゴと共に、ロンドン
目抜き通り、ボンドストリートとロンドンと
ニューヨークで大きく展開していた事が解る
プリントが。

一つのブランドの流れが解る、名残の箱と共に
こうして再会が叶ったことに、深い感慨を
覚えます。

中の物は、また今度!