いくら見つめて眺めても、決して飽きない
永遠に枯れない花の様な存在のリング。
『善悪の彼岸』ならぬ、『美醜の彼岸』に
咲く花の様です。
特に魅せられた裏側の造作。
小窓の様になっているそこに、レースの
様な唐草の透かし模様が彫られ、誰も
知らない持ち主と指輪だけの、秘密の
抜け道が存在している様。
歴史を紡いできたこのリング、どんな女性
もしくは男性の指に嵌り、多くの歴史を
見て来たのか。
「古いモノを身近に置いて、愛でる事は、
歴史が身体の一部になり、自分の中に
入り込む」とは、骨董品が大好きという
ロシア出身のピアニスト、ヴァレリー・
アファナシエフの言葉ですが、まさに
それを彷彿とさせる品。
更なる未来に向かって、世界を見て行く
この花に、美しい園が待っている事を
心から祈ります。