最近ジュエリーデザインの本質を考える事があるのですが
真珠を使った宝石の中に、現代では球形が当たり前で、
ゆえに限界を感じる事が多く、なぜアンティークには
素敵なデザインが多いのに、今はパールの大きさ、
ダイヤモンドの多さこそ在っても、デザインで納得
させるチャーミングな物が無いのかと考えます。
その理由の一つに、今はベビーサイズのハーフパール
という存在が無いから?と思うときが。
遥か昔、未だ天然しか真珠が存在しなかった頃、ダイヤ
モンド並みに高価であったが故に、ヴィクトリア時代に
半分にカットして、倍になった両面それぞれを使ったと
いうのがハーフパールの通説。
確かにそれもあるでしょうが、実際は美的で優れた
デザインの物を作ろうとしたら、球形という形に限界を
感じ、宝石の様にカットする延長から、半分にカット
してそれぞれを使うというアイディアに行きついた
のではないかと。
ネックレスや、ブローチなど、比較的大きなモノ、
イヤリングなど下げるデザインが可能な物は球形でも
通用しますが、こと指輪となると、どんなに大きな
サイズでも、せいぜい指の幅は2cm程度。
その狭い幅の上にまん丸形状の珠を乗せるのには、
おのずとデザインに限界がある様に思います。
考えに考えた当時の職人が、それなら半分にカット
してみたら…と考えて、トライしたのでは?
…という考えに行き着きました。
まん丸も素敵ですが、半分も素敵というのが、
パールにおけるデザインの在り方の様に感じます。