アンモナイトの目覚め

除菌ジェルにマスクにサングラスという完全防備の
いで立ちで向かった映画『アンモナイトの目覚め』。

ヴィクトリア時代中期の頃、イギリスの南西部、
ジュラシックコーストと呼ばれる、古代地層が露出
した海岸線が明媚な風景のライムリジスという
漁村が舞台。

主演はどちらも超演技派、中年のケイト・ウィン
スレットが変偏屈な古生代生物学者、アッパー
クラスの若妻をシアーシャ・ローナンを演ずる
こともあって、どうしても大画面で観たく、
出掛けました。

今でも海岸でアンモナイトや恐竜の骨等遺が
採取出来る小さな海浜の町ライムリジズは、
個人的に数回訪れたこともあるせいか、思い
入れたっぷり。

展開される内容は、まるでヴィクトリア時代に
生きた誰かの日記を偶然入手して、書いた本人
しか分からない、秘密の出来事を覗いてしまった
気分になる様な展開。

才能があろうとも、身分差と共に女性がまだ
学校で学ぶことすら許されず、それでも知って
しまった遥か古生代の地球遺産のモノ達と
向き合いながらも、それらを手放す事で生計を
立てる日々を送る、まるで世捨て人をケイト・
ウィンスレットが、それこそ体当たりな演技で
演じていました。

イギリス独特の、ヒヤリとした冷たい空気が
懐かしくなった、儚い夢の様な映画です。