CHANEL 3

幼少期の生い立ちを隠したがったシャネル
ですが、確かにドキュメンタリーを読むと
母を早くに亡くし、行商家の父には見限
られるという、悲惨とまでは行きませんが
そこそこ難儀な生い立ちであることは、
事実かもしれません。

でも、パリからは遥か南に降りた、小さな
中世の村、オーバジーヌの修道院が運営する
厳格で質素な孤児院での生活は、シャネルに
自然の中に存在する、季節の収穫がもたらす
色彩を肌感覚で覚えさせ、規則正しい生活と
モノトーンのシンプルな制服は、ミニマムの
美しさを身体で覚える事を与えていた様にも
思います。

事実、シャネルはデザイナーとして、実業家
として、そして多くの芸術家達のパトロネージ
として成功した後も、毎夜シャンパンに酔う
享楽的な生活は行わず、仕事と早寝が習慣
だったとか。

事業継続の嗅覚は、勤勉さこそが、もたらす
ものとでも言う様な、彼女の生活スタイルは、
余り表面に出ませんが、見習うべきものを
感じます。