長くシャネルの装身具を製作していた工房、メゾン
グリポワ。
歴史はシャネルよりもずっと古く、4代も続く長い
歴史を持ちます。
初代オーギュスティーヌは、オペラ座、大衆娯楽の
頂点だった舞台用でのジュエル、特に国民的な
アイドル女優、サラ・ベルナールにも贔屓にされた
そう。
その娘、シュザンヌの時代に、ファッション界へ
繋がりを深め、当初はポール・ポワレ、ジャンヌ・
ランヴァン等の創り出す服に合わせて製作。
つまりは既にこの頃で、装身具を製作するための
技術的なものは、十分成熟していた様です。
そうして満を持してシャネルと出逢い、女同士
という気安さからか、協力して模造真珠を中心
とする多くのコスチュームジュエリーを誕生
させました。
特にこのアトリエ独特の、金属枠に溶かして、
表面張力で張り付けた色とりどりのガラスで
造られた品々は、その技術があまりにも特殊な
せいか、似た様な品を造るところは皆無。
光を通して見ると、まるでステンドガラスにも
見える美しい品々は、シャネルとのコラボは勿論
サンローラン、クリスチャンディオール、
アメリカのハッティー・カーネギーのヴィンテージ
の中に見る事が出来ます。
今は残念乍、シャネルとメゾングリポワとのコラボ
レーションは終了している様で、ヴィンテージに
その残り香を感じるのみです。