架空家族

時々頼まれる事のある、紋章リング。

とあるディーラーさんのストックの中に家紋付きの
小さな、いかにも女性の小指用を発見。

見たことの無い家紋に「ん?これ何処の家の?」と
聞いたら「あ、それ現代モノでアンティークじゃ
ないから」。

曰く、最近イギリスの若い女性たちの間でも、小指に
こうした紋章リングを嵌めるのが流行っているとか。

「じゃあ、これも特別○○家の家紋じゃないワケ?
ファンタジー(なんちゃって)ファミリー家紋???」
と聞いたら、ディーラーさん一人で大ウケして、爆笑
していました。

紋章は16世紀にイギリスでは大流行。

社会的地位を得る為に紋章を持てる貴族以外にも、
オリジナルを製作して、申請をする人が多かった
とか。

あちらには『紋章学』という分野まで存在するわけ
ですから、研究に値するほど幅が広いモノなので
しょう。

陶磁器で有名な18世紀創業のウエッジウッドは、
幸運にも当時の王様(ジョージ三世)の妃、
シャーロット王妃に懇意にされ、あっという間に
王室御用達イギリスのトップメーカーに。

その権威を確固たるものにするため、紋章を造り、
申請したという話を聞いたことがあります。

…というわけで、その現代紋章リングは、見送り。

まぁ、100歩譲って紋章の代わりに、リスや白鳥等
小動物の印なら、可愛く見えるかもしれませぬ。