色の記憶

  • ~お知らせ~24,25日は定休となります。
    8月5日~15日まで夏季休暇を頂きます。

昔々子供の頃に、浴槽で溺れかけた事が
ありました。

覚えているのは、大きくて足が付かない程
深い、おそらくお風呂屋さんの浴槽で、
抗っても底に沈む身体、いやおう無しに
鼻や口からガボガボ入り込むお湯。

直ぐに引き上げられたもののショックで
ギャン泣き。

鼻に水が入った時のツーンとした痛みすら
今も記憶に残る位ですから、余程怖かった
のだと思います。

今も流れる川や海の水を見ると、何となく
そのことが記憶の底から沸き、とりとめ
無く不安になる事が。

でも不思議と、水面の底に沈む自分の
眼が捉えた水上の風景は、浴槽タイルの
緑とブルー、そして何故か、ほんの僅かな
薄紫色までが、ユラユラと滲む様に外光と
交わる様に見え、それを美しい風景でも
あったという矛盾の記憶も脳の片隅に。

アイリスガラスやアレキサンドライトと
呼ぶネオジウムガラス、サフィレット。

色が一定しないガラスを見つめていると、
その時の記憶もまた、同時に浮かびます。

そういえばアイリスガラスを始めて見た
と仰るお客様が、「不思議、とても懐か
しい気分」と語っていた事がありました。

色で捉えた記憶は、誰にも経験がある様に
思います。