ハッティ・カーネギー

~お知らせ~ 12、13日は定休となります。

奥にしまい込んで、すっかり存在を忘れていた
ブローチとイヤリングのセット。

アメリカのコスチュームジュエリーメーカーの
一つ、ハッティ・カーネギーによるモノです。

オーストリア、1886年、貧しいユダヤ人家庭に
生まれたヘンリエッタは、当時よくある様に、
人生をリセットしようと、家族とアメリカに
渡ります。

オーストリアに留まっていたら、後の大戦で
アウシュビッツに送られていたかもしれない
ことを鑑みると、先見の明があっかと思います。

一部伝説として語られる、アメリカに向かう
船の中で「アメリカで一番のお金持ちは誰?」
と尋ね「(鉄鋼王)アンドリュー・カーネギー」
と聞き、ならばその名を貰い、新しい国で立身
出世に挑戦しようと思うあたり、なかなか
したたかな考えの持ち主だったようです。

帽子店から始め、後にはアパレルも展開して
大成功する辺り、当時はこうした女性事業家が
フランスのココ・シャネル以外にも存在した
ことが判ります。

どういういきさつで、コスチュームジュエリーを
創り出す様になり、そして後にはそれが一番
有名になったかは不明ですが、シャネルと同様、
時代と共に変化する流れは分かり易いです。

抽象化させた動物シリーズが有名なカーネギーの
アクセサリーですが、このブローチはどちらかと
いえば伝統的なヨーロッパ風のデザインを
モチーフに仕上げた華麗さが漂うもの。

大きく翼を広げた鳥には、ラインストーンが
ビッシリと埋め込まれ、パールの実を啄もうと
しているでしょうか?

トレンブランという技法で、鳥と花は揺れ動き
胸に着けていると、注目を浴びる事は必須で
しょう。

紺のブローチとイヤリングは、その存在を思い
出させてくれたお客様の元へ、飛び立ちました。

このブログは、その鳥へのオマージュです。