イネス・ド・ラ・フレサンジュ

80年代~90年代にシャネルのイメージモデルを務めた
イネス・ド・ラ・フレサンジュ。

スレンダーな姿に涼やかで理知的な眼差し、貴族出身
というオマケもあって、当時スーパーモデルと呼ばれた
方々の中では、一歩秀でていたと記憶します。

シャネル社との契約が終了した後、自身のブランドも
立ち上げ、一時期パリの目抜き通りに直営店、日本の
大手デパートでもブランド展開をした記憶があります。

いつの間にかそれも引退した?…と思っていたら、
日本のユニクロと組んでのシリーズが2014年から
始まっていました。

確かに、数年前のパリのユニクロで、店内に大きく
飾られた彼女の写真が置かれ、なぜユニクロとイネスが?
な感じで、どうやら欧州優先のコラボだったようです。

その彼女の最盛期の頃、シャネルの仕事で来日した
時にファッション誌、25cans(ハースト婦人画報社刊
1988年号数不明)で特集した記事が、ファイルから
飛び出して来ました。

ラフで気取らず、誰からも好かれるイネスの、この号で
提案したテーマは『イネスの考えるエレガンス』。

曰く…

1人まねをしない
2独立心が強い
3質素である
4背筋を伸ばしている
5心身ともに健康である
6話題が豊富である
7人の話を良く聞く事を知っている
8陽気である
9ウィットに富んだ会話を好む
10美しいモノと醜い物を区別できる
11本物と偽物を区別できる
12クリエイティヴである
13既成概念を壊す勇気がある
14行動・交際範囲が広い
15どのような立場の人とも同じように話せる
16常にリラックスしている
17人目をきにしない
18Tシャツを着こなしてアフター5を装うことを知っている

20年以上前の人生哲学でも色褪せず。

これを読んだ店長、少しでも一つでも、こう生きたいと
考えたのを覚えています。

高額なモノを着ずとも、その人の個性を把握して、
良い意味で美しく見せるコツを知っている。

ファッションの一つの在り方とも思います。

シャネルの仕事なのに、このとき彼女が選んだアクセ
サリーはジャンク系。

キッチュなモノが大好きな彼女は、撮影外はキディ
ランドに入り浸りであったという最後の文章にも、
思わず苦笑。