春の日に遠く欧州から、もしかするとワクチンと
共に飛んできたかもしれないリングは、シルバーと
紫水晶。
おそらくevil eyeと言われる、欧州の民間伝承の
魔除けの『眼』を元に、20世紀中頃に造られた
もの。
ミッドセンチュリーでは、こうもスタイリッシュな
表現になるのが面白い所です。
ドスンと重いたっぷり重量感のシルバー、対極に
目玉の様に中央に小さく配された、カボッションの
アメジスト。
そのアメジストから放射状に伸びたラインは、全て
手作業で入れられたものですが、眼から発する力の
様にも感じます。
プリミティブ・モダンの息吹を感じる力強い品は、
単体で見るより身に着ける方が、不思議に馴染ん
で見えます。
身に着ける人を、魔から避ける様な、圧倒的な
パワーが閉じ込められている様です。