箱謎

昨日の紙箱について書いたブログで、思い
出したある事。

シャネルがビジュー・ファンテージ(コス
チュームジュエリー)を思いつき、発売を
し始めた1920年代当初から、その包装は
中綿入りのシンプルな紙箱のみだった
様です。

これが本物のジュエリーであれば、やはり
1点1点そのタイプや形に合わせた、オリジ
ナルで造らせた皮製&ベルベットの箱で、
しかも更に丁寧な外箱付のラッピングで
渡されていた事でしょう。

卑金属コスチュームジュエリーとはいえ
シャネルのそれは、他の同種の装身具と
違いかなり高額で、下手したら宝石並。

店長が、かつて長く勤務したコスチューム
ジュエリー輸入会社でも、オリジナルの
高級ボックスにセットしてのお渡しで
あったと記憶します。

紙箱がアカンというわけではありませんが
そのラッピングの差に、貴金属としての
意識のジュエリーと、それ以外の素材の
ファンタジーという差異の意識が、隠れて
いる様に思いますが、考え過ぎ?

それとも、アメリカ的合理主義を己の
経営に投下したシャネルは「箱を着けて
歩くワケでは無し、飾ってナンボのファン
テージに、豪華包装は無用!」…とでも
語ったのでしょうか?


老舗グリポワ工房製のシャネルも、今はもうヴィンテージにのみ
見かける程度で、一寸寂しいかも。